本人目線の、アダルトチルドレンの成長と回復 How did I recover from adult children scientifically

AC(アダルトチルドレン)の私が、自助グループで話しているようなこと(そのまま同じじゃないです)を、お伝えします。

第1回 アダルトチルドレンって、何?

アダルトチルドレン、という言葉をご存じでしょうか?

このブログに出会った方であれば、もしかして知っていたり興味を持っているかもしれません。

一般的には、「機能不全家族で育ち、生きづらさを抱えている人」とされています。
あるいは、「アルコール依存症者のいる家庭で育った人」という意味で理解している方もいるかもしれません。もっと詳しい方は、昔は後者の意味で、そのしばらく後に前者の意味で使われるようになった、ということまでご存じでしょう。

これら言葉の意味するところは、もちろんその通りなのですが、当事者の私としては、もっと自分の感覚にフィットする表現をしたいと思っています。

それに、機能不全家族と言われても大抵の人はピンときませんし、そもそも完璧な家族などいませんから、定義とするにはちょっと心許ない。※1

というわけで、私が勝手に提唱している「アダルトチルドレン」という言葉の意味をご紹介します。

それは、

「情緒的にすごく偏った環境で子ども時代を過ごした人」

というものです。

この説明は、私の感覚にすごくフィットします。自助グループで出会った人たちのことを思っても、すごくぴったりきます。「情緒的に偏った環境かどうか」という基準は、「機能不全家族」よりも、普通の人にとって感覚的にずっと理解しやすいはずです。

また、定義自体が、アダルトチルドレンの問題点をすっきりと表現しています。これは、「定義」という言葉の役割として理に適ったものです。

ですから、私はアダルトチルドレン(以下 ACと略します)という言葉の定義として、こちらの方が優れていると考えていて、勝手にこちらの定義を広めたいと思っています。

どんな情緒に偏っていたかは人それぞれです。ACでは、怒り、悲しみ、恐怖、不安、体の痛み、空腹、など基本的にはネガティブな感情が多いですが、とても甘やかされて万能感を持って育った、ということもあります。

食事でも、ピーナツバターやポテトチップばかり食べていたら、明らかに不健康ですよね。子どもであれば、体が十分に育たず、栄養失調になってしまうでしょう。感情も同じように、アンバランスなのは健康に良くないですし、子どもの心が栄養失調になって、十分に発達しなくなるのです。

ところで、栄養の偏りは身体の発達に影響しますが、情緒の偏りは脳の発達に影響します。ACの子どもの脳の各部位の大きさを、健常な子どもと比べると、明らかに差があるということが、友田明美(2011)『いやされない傷 児童虐待と傷ついていく脳』診断と治療社 で示されています。

ちょっと難しい話ですし、長くなりそうな話題なので、また改めて考察したいと思います。

これからこんな感じで、アダルトチルドレンのことや回復についての考えや体験を不定期で書いていきます。

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【今回のまとめ】

アダルトチルドレン(AC)=情緒的にすごく偏った環境で子ども時代を過ごした人

※1 余談ですが、機能不全家族という言葉は便利なようで不便で、本によっては「ある面で、すべての家族が機能不全家族である」と言っていたりして、意味が広がりすぎてしまっています。これでは議論のしようがありません。例えば、「人間は誰でもどこかしら不健康である」というのは事実ですが、こんなふうにすべてを広くひとくくりにしてしまうと、ガンや骨折といった特定の病気や怪我の治療に役立つ考察ができなくなってしまいますので、実用的な定義とは言えないのです。