第45回 苦しんでも泣いても優しくも強くもならない
ときどき流行歌の歌詞に「泣いた数だけ優しくなる」「強くなる」みたいな趣旨の歌詞が見られるし、それは、美化された苦労話として比較的受け入れられている考え方だと思うのです。
子供の虐待についていうと、子供が苦しんでも泣いても強くも優しくもならないです。
私の場合は、毎晩何回も泣かされて辛い気分になり、何の救いもなかったことから、「人生は辛いことしかない」「早く死にたい」「家族は憎しみの根源だ」といったことを経験的に深く深く学びました。
至極当たり前すぎると思うのですが、優しさを学ぶのは優しくされた経験からです。
嫌な思いをするほど優しくなれるなどというのは、日本語を学ぶほど英語が得意になる、と言っているのと同じでしょう。脂っこい食事をするほど痩せる、とか。
甚だしくばかばかしい主張だって事です。