本人目線の、アダルトチルドレンの成長と回復 How did I recover from adult children scientifically

AC(アダルトチルドレン)の私が、自助グループで話しているようなこと(そのまま同じじゃないです)を、お伝えします。

2018-01-01から1年間の記事一覧

第37回 ポジティブな感情をエネルギーにすること

って、難しい。ずっとできなかった。少しずつできるようにはなっているけども。 ネガティブな感情をエネルギーにして生きることは出来てたけど、その逆はやったことがなかったから長いことできなかった。いや、でなかったわけではないな、子供の頃は出来てい…

第36回 宣言と開放

先日のことですが、私は母親に下記のような宣言をしました。 宣言というと、強く言ったみたいですが、普通のトーンで普通に話しました。 「俺は、『姉に刺身包丁で追いかけられた』とか、大人になってからそのことで当人に怒ったら『お前なんかあのとき死ん…

第35回 回復のプロセスを旅に例える

回復のプロセスはよく「長い旅」に例えられます。 これについてふと思い付いたことなのですが、旅は旅でも、「アルパインクライミング」みたいだなと感じました。 バイクや自動車でのツーリングや、豪華客船でのクルージングでも、観光地への物見遊山でもな…

第34回 アダルトチルドレンを「卒業した」とか「元AC」とかいう表現について思うこと

ときどきブログとかで「ACを卒業」や「元AC」という表現を見かけます。 どれだけ回復にとりくんできたのだろうかと興味を持って目を通すと、問題に取り組んで数年程度(3年とかせいぜい5年とか)のことが多いです。 これについて私がどう感じているのか…

第33回 多重人格が生じる仕組みについて

第25回と記事で人格の仕組みについてお話ししました。 そして第31回の記事で、人格には許容量があるということや、トラウマがどういう形で精神に食い込むのかについても、お話ししました。 これらを組み合わせると、多重人格の発生する仕組みが大枠で説…

第32回 ACとして生きることの辛さをお金で表してみる

ACとして生きることは、結構しんどいです。 そしてこの辛さは、ACでない人にはわからないと思われがちです。 まあ、目に見えないですし、メジャーとか秤で測れませんしね。 そこで、どうすればACでない人にACの辛さが伝わるだろうか? とちょっと考…

第31回 人格の許容量

人格には、受け容れられる限界、許容量のようなものがあります。 それを超えたり、無視したり、むりに受け容れようとすると参ってしまったり、いろいろ不具合が出ます。 受け容れられる限度は人それぞれだし、種類も様々です。ある人にとってはストレスフル…

第30回 ACとして身に付けた能力

「アルコール依存症者の子どもたち」という、AC研究の先駆けとなった本で、著者のJ・G・ウォイティッツ氏は「ACの問題は、基本的には情報の不足だと思っている」というふうに書いています。 この本はすばらしい本なのですが、これだけだと片手落ちの理…

第29回 ストレスによる健忘発症の仕組み

わたしが健忘で苦むようになったのは22歳の頃で、死にたがっていた自分の子ども時代を思い出して書き出したのが契機でした。 当時大学生だった私は、時間の取れる今のうちに子ども時代の問題を片付けたいと、躍起になって昔のことを思いだして書き出していま…

第28回 愛着形成による人格生成について

子どもが健康な精神発達を果たすためには幼児期の愛着形成が重要だ、ということは発達心理学であったり、あるいはACの本にも書いてあったりするのですが、それがどんなふうに人格発達に寄与しているのか内的な仕組みはどうやら概念化されていません。 と思…

第27回 トラウマ記憶は凍らない

トラウマ記憶について「凍り付いた記憶」と表現されることがよくあります。専門家が書いたものでも、そんなふうに載っていたり、あるいは実際にそのような固定したものとして理解やら説明をされていたりします。 でもこれ、完全に間違いです。 現実のトラウ…

第26回 頭と心と体を一致させる

第8回の記事で「頭と心と体がバラバラとはどういうことか」ということで、ばらばらな状態について説明しました。 今回は、私が「頭と心と体を一致させる」ために役立った体験についてご紹介します。 はじめに断っておきますが、このやり方は私個人に合って…

第25回 人格について

ACからの回復とは関係ないと思われるかもしれませんが、人格というものについて私なりの考えをお伝えします。 ACの回復に関する本で「そもそも、人格とはどんなものか」ということが扱われることはまずありません。実際の所はこのよくわかっていないものが…

第24回 白黒思考

今回は、ACの性格的な特徴としてよく挙げられる白黒思考について話します。原因はいくつかあると思います。 まずは、強い感情に慣れていることです。恐れとか、怒りとか、そういう強い感情に慣れていて、ささやかな感情に疎い。第11回で、「濃い味付けに慣れ…

第23回 回復に時間がかかるわけ

回復には時間と根気が必要です。 地盤沈下した住宅を引き上げて手入れをして快適に住めるようにするには、もしかしたらスコップのひと掻きから始まるかもしれませんが、そういう地ならしみたいなのから始めるしかなくて、時間がかかって手間もかかって疲れる…

第22回 落ち込んでない状態に慣れる

このブログの第9回で「気分転換は難しい」、第20回では「回復したくない気持ち」というのを書いてますが、それとも関連するテーマです。 わたしにとって「落ち込んでいない状態に慣れる」ってのは、結構難しい課題でした。 幼い時から「死にたい」と思ってい…

第21回 ACと依存症と欠陥住宅

ACの問題って複雑でどうやったらわかりやすく伝えられるんだろうと結構長く思っていたのですが、前回の記事を書いている時に「欠陥住宅」の例えがうまくはまることに気付きました。 正直、ACを欠陥住宅に例えるってのは、わたしにとってもそうですが、また…

第20回 回復したくない気持ち

回復するのが億劫な気持ちというのはすごく強いです。 変わりたくない、という気持ちもすごく強く表れます。 私は毎朝、自助グループの本を数ページ読んでからその日を始めることを習慣にしていますが、身につくまでものすごく時間がかかりました。 毎朝、忘…

第19回 虐待に対する社会的な無関心を嘆いても問題は解決しないので社会にあまり期待せずお互い頑張りましょう!

第18回の記事を書いていて気付いたのですが、自分がACであるという自覚、おかしな家庭で育っているという事実を認識することが、回復以前に必要です。当たり前なんですけど。 私はたまたま中学に上がる頃、図書館で読んだ心理学の本からACの知識を得まし…

第18回 若いうちに回復するに越したことはない

これは、身も蓋もない事実です。タイトルの通りですが、若いうちから回復に手を付けるに越したことはありません。 ACの回復の本にはこういう基本的な事実が書いてなかったりします。 「回復に取り組むのに遅すぎるってことはない」ということは書いてあっ…

第17回 「イノセントな子ども時代」や「甘酸っぱい青春」はほとんどないけれども生きてます。

私にはイノセントな子ども時代というものはありません。 あるいは、純粋に[死にたがっていた」のがイノセントさと言えなくもありませんが、そんなふうにいってもあまり意味はないでしょう。「イノセント」には、「何に思い悩むこともない幸福な子ども時代」…

第16回 身体感覚の回復

「本当の自分の姿を取り戻しましょう」とか「抑え込んでいた感情を取り戻す」とかいうことは、ACの回復について書かれたどの本に書いてあると思います。 でも、ACは感情だけではなくて身体感覚もかなり無視していると思います。感情と身体感覚ってかなり重…

第15回 自己評価

ACの「自己評価」というと、「低くて問題だ」とされることが多いように思います。「高けりゃいいのか」というとそれも違う気がします。じゃあ一体どういうのが自己評価として妥当なのかというと、あんまり示されていないような気がしていたので、わたし自…

第14回 回復における理想と現実

たぶん、回復のための努力を始めて、多少なりとも自分の成長や変化を感じたことがある人はみんなこいうことを実感していると思います。 「ちょっとでも油断していると、まったく問題は片付かない」「もの凄い努力をして、ちょっと成長したと思って油断したら…

第13回 個人的な人間関係を継続させることの難しさ

最初に、個人的な人間関係と社会的な人間関係の区別をしておきます。 学校や会社、お店などでしか合わない人とのつきあいが、社会的な人間関係で、休みに一緒にご飯を食べに行ったり、出かけたり、連絡を取り合ったりするのが、個人的な人間関係です。 そん…

第12回 誰にも助けてもらえなかったあなたへ

子供の頃に苦労したものの、社会的に成功して、精力的に生き、精神的に病んでいるわけでもなさそうな人というのが、ときどきニュースで話題になります。しかしそんな人には、まず間違いなく、誰か一人味方がいます。お兄さんとか、おばあさんとか。近所のお…

第11回 AC(アダルトチルドレン)は身近な人ほど傷つける

「虐待を受けた子どもの世話をすると、理不尽なほど世話する大人に迷惑を掛ける。これは、大人が本当に信頼できる人かどうか試しているからだ」 というようなことが、どの児童虐待の本にも載っています。 私の体験からするとですね、あれは別に試しているわ…

第10回 虐待は、ばかばかしい

虐待を受けて育った身としては、虐待というのはなんと馬鹿馬鹿しいものかと思う。 人災ですからね、これ。親がもうちっとまともだったらしなくて済んだ苦労ですからね。私には何の落ち度もないですからね、まじで。 そうじゃなくたって生きることなんて面倒…

第9回 気分転換は難しい

ACにとって気分転換は難しいです。 どうしてか? 楽しいとか、ポジティブな気分でいることがそもそも少ないからです。 気分転換っていうのはどういうものかというと、ただ気分を変えるってだけじゃなくて、ネガティブな気分のときにポジティブな気分になるこ…

第8回 頭と心と体がバラバラとはどういうことか

回復してると、いかに自分が頭と心と体がバラバラのままで生きているのかということを思いしらされることがよくあります。 頭と心と体がバラバラとは、具体的にはどんな状態なのでしょうか。 頭は、理屈でものごとを考えます。ACはその際に感情を無視しがち…